La Liga21-22シーズン 第4節 バルセロナvsセビージャ マッチレビュー
どうも、くれたです。今回はセビージャ戦のレビューです。素晴らしい結果とまではいかないですが、着実に進歩しているシャビバルサがリーガの強豪であるセビージャとの対戦です。毎年苦しめられている相手であり、今シーズン絶好調の相手にどう挑んだのでしょうか。
年内最後のレビューということで、いつもより気合を入れて書いているので、拡散していただけると幸いです。
スタメン
ラロハ(スペイン代表)風のビルドアップ
試合ごとにビルドアップのシステムや陣形を試しているシャビですが、今日はラロハ風のビルドアップでした。ラロハ風というと、近年ルイスエンリケ監督が採用している型です。特徴は両SBがあまり高い位置を取らないということです。
なんで両SBは高い位置を取らないのかが気になった方もいるかもしれません。その理由はセビージャ側の守備時の陣形にありました。セビージャはスタメンの画像の通り、スタートポジションは4-2-3-1ですが、守備時はラキティッチがブスケツを見ながらラファミルと並んで2CBにプレスをかけたり、SHがバルサのへのパスコースを切りながらへプレスをかけるような4-4-2へと変形する可変システムを採用しています。しかもバルサのSBにボールが渡ろうとするときにセビージャのもしくはSHはすばやく、インテンシティ高く詰めてきます。
するとビルドアップ時にバルサのSBが高い位置を取ってブスケツがCB間に降りてきたとしても、最終ライン3枚vsセビージャの2トップ+両SHの計4枚という数的不利の状況を作ってしまうことになり、かなり窮屈なビルドアップになってしまいます。
よって今回のセビージャの4枚のプレスに対して最終ラインの4枚+ブスケツの計5枚でビルドアップすることを選択できたバルサは正解だったのかなと感じました。
今日のバルサのビルドアップはラロハ風の最終ラインに4枚揃える形だった。4-2-3-1から守備時4-4-2に可変するセビージャに対する今回のビルドアップは最終ラインの4枚+ブスケツの計5枚で数的有利を作り出せるからとても合理的だった。
— くれた (@Cule_tactical) 2021年12月22日
これが試合前から決まっていたのかは分からないけど、いい判断。
バルサを上回ったセビージャのプレス
さきほどバルサはラロハ風のビルドアップを選択出来てよかったと記述しましたが、時折セビージャはそれを上回るプレスをかけてきました。昨シーズン開幕直後のセビージャ戦から感じていましたが、セビージャの大きな武器は高いインテンシティを伴ったハイプレスです。
昨シーズンの開幕前にはバイエルンに2-8で敗北した試合があったのですが、バイエルンに近しいものを感じました。休む暇もないほどのハイプレスは当時、ご機嫌ななめであったメッシやそもそもの雰囲気がよいとは言えなかったバルサを大いに苦しめたことを覚えています。
そのハイプレスは今も健在であり、バルサを苦しめました。SBまでもがバルサのSBにプレスをかけてくるシーンさえあり、セビージャのチームとしての自信を感じました。何度も同じような形でセビージャのプレスにハマるバルサ。現在のバルサのハイプレスに対する耐性の低さも感じましたが、それ以上にセビージャのハイプレスの再現性に驚きました。
何度も同じようなシーン、局面でセビージャのプレスにハメられてる。バルサ相手に何度もビルドアップを阻止できるセビージャも流石だし、試合中に見つかった問題点を中々改善へと持っていけないのが今のバルサ。
— くれた (@Cule_tactical) 2021年12月22日
今までは時間が経てばメッシが降りてきてなんとかなってたのが今になって裏目に出た。
あえて孤立させるデンべレ
シャビが監督になってからは、WGがライン際まで張ることが当たり前になりました。ここまでは多くの人が疑問を抱かないと思いますが、デンべレがライン際でボールを受けた際に周りの選手はサポートに行くべきなのかどうかは意見の分かれそうな論点だと思いました。
あくまで個人的な考えですが、僕はサポートに行き過ぎるのもあまり効果的ではないかなと感じます。理由はデンべレの勝負するスタイルにあります。デンべレはスピードを駆使して突破するタイプであり、そのためには大きなスペースが必要となります。デンべレがボールを受ける瞬間にサポートに行くと、サポートに行く選手にもマークの選手がついてくるため、おのずと狭いスペースに密集を作ってしまうことになり、デンべレの得意な形が作りづらくなってしまうのです。
皆さんの意見も聞いてみたいので、引用リツイートでもコメントでも教えてください。
大外に張ったWGにボールが渡ったとき、同サイドのMFがサポートに行くべきなのかという問題があるけど、WGのタイプによって判断するべきだと思う。
— くれた (@Cule_tactical) 2021年12月22日
例えばデンベレなんかは少ないタッチ数とスピードで突破するタイプだからMFが近づくと密集を作ってしまって仕掛けにくい状況になるかもしれない。
デンベレ、相手が食い付いてきたらスピードでブチ抜く、様子を見てきたらハーフスペースに走り込むデヨングやニコにパスをするというようにプレーのバリエーションが増えてきた。
— くれた (@Cule_tactical) 2021年12月22日
プレーキャンセルなんかはまだまだだけど、その辺りを丁寧にこなせたら然るべきタイミングで勝負できるWGになれる。
不完全燃焼のデヨング
相変わらず今回も不完全燃焼感が否めないのがデヨング。セビージャ戦ではIHとして後方のビルドアップからシャドーストライカーとしてのゴール前までの飛び出しを行うダイナミックな役割を担っていました。飛び出しの試行回数こそ多かったものの、実際にクロスに関われたのは前半の一回ぐらい。これはデヨングだけのせいではなく、クロス精度、セビージャDFのはじき返しなど様々な要素が絡み合った結果であるので、これだけではデヨングがどうこうとは言えないと思います。
セビージャ戦での印象に残ったデヨングのプレーは、後方からの持ち上がりです。1人、2人を抜き去ってボールを持ちあがるという姿にインパクトを受けただけかもしれませんが、個人的にはこのような後方から中盤に関わるスタイルの方がデヨングにはフィットしていると感じます。
メッシが在籍していたころのバルサと比べるとおかしくなるかもしれませんが、それだと過去との比較ができないので今回は許していただきたい。昨シーズンにデヨングがリベロとして起用されていたときが一番輝いていたと思います。3バックの中央として高いビルドアップ能力を発揮しながら時折セビージャ戦のような持ち上がりを見せる。これこそがデヨングの真価だと思っています。このようなはたらきができる選手はバルサ在籍の選手はおろか、世界中の選手を探してもなかなか見つからないんじゃないでしょうか。
さらに、リベロ起用した際にはデヨングはタイミングを見計らって1列前へとポジションを移す場合があります。そうです、アンカー化です。このツイートは今年の6月のものらしいんですけど、デヨングがアンカー化することで瞬間的に12人いるのと変わらない影響力があるんです。
デヨングは基本的にインテリオールで使ってゴール前絵への飛び出しを狙ってほしいけど、、3バックの中央で使うとビルドアップ時にボールを持ったまま得意のドリブルをしてピボーテの位置まで運べると、瞬間的にバルサの選手が12人になることと一緒なんだよね。CBのデヨングとピボーテのデヨング。
— くれた (@Cule_tactical) 2021年6月21日
パスマップ
セビージャ戦のパスマップがこちら。アラウホとアルバのポジショニングの高さがそこまで変わらないことからもラロハ風のビルドアップを採用したことが伺えます。そして意外だったのがアルバが一番ボールに関わっているんですね。
そしてこちらが10月2日に行われたアトレティコ戦のパスマップ。一目瞭然なのですが、クーマン体制時と比べると明らかに陣形がきれいに整っていて距離感も近すぎず、遠すぎないようになっています。
今回は以上です。いかがでしょうか?今年最後のゲームを勝ちで終えたかったとこでしたが、切り替えましょう!年明けにはアンスやぺドリ、アウベスに復帰の噂も出ていますので、マジョルカ戦が楽しみですね。
マッチレビューの投稿も今年はこれで最後になります。今シーズンから書き始めた拙い文章を見ていただいてすごく嬉しいです!来年は自身のサッカー観を磨くとともに、閲覧数なども伸ばしていきたいです。来年もご愛顧のほど、よろしくお願いします。
今回は年内ラストレビューということでいつもより気合入れて書いたので拡散していただけるとすごくうれしいです!
では、よいお年を。