確信した強さ EL プレーオフ ナポリvsバルセロナ 2ndleg
どうも、くれたです。今回はvsナポリ第2戦のマッチレビューです。1stlegは後半にかなり主導権を握って決定機を作り出しましたが、決め切れず1-1の引き分けで終えて迎えたナポリのホームでの2ndleg。毎シーズン恒例のようにバルサはアウェーゲームに滅法弱く、個人的に今回も必要以上に心配してしまいましたが、今回はどうだったのでしょうか。
前回対戦のマッチレビューを貼っておきます。
たくさんの方に読んでいただきたいので、拡散をよろしくお願いいたします!
スタメン
前回対戦からの変更点は左SBと左IH。トラオレの対策として出場していたフアンジェズスに代えて攻撃的なSBのマリオルイ、怪我をしたアンギサに代えてデンメが出場。ちなみにデンメは19-20シーズンはアンカーとしてバルサ戦に出場していた。
前回対戦からの変更点
ミンゲサ→デスト
エリックガルシア→アラウホ
ニコ→ブスケツ
の3選手。バレンシア戦でシャビのフットボールへの理解を深め始めたことをアピールできたデスト、オシメーン対策に欠かせないアラウホ、ピッチにいなきゃ始まらないブスケツがスタメン入り。
デストとコンビを組むならデンべレの方がいいのでは?と思い、デンべレの先発起用を予想していた。
両チーム嚙み合わせ
強気のナポリ
引き分けのスコアでホームにバルサを迎えたナポリ、その姿勢はかなり強気なものであった。最終ラインをかなり高く設定し、プレッシングもとてもアグレッシブな印象であった。1stlegではバルサのCBにミドルゾーンの入り口辺りまでは前進させており、リトリートしながらプレー制限をかけ、ボールを奪い取るような守備であり、今回とはまるで別のチームのような変わり様だ。
また、左SBをフアンジェズスからマリオルイに変更したこともナポリが強気の姿勢で挑んできたことの1つの要因と言えるだろう。もちろん、マリオルイを起用することで1stlegよりかは左からの攻撃がスムーズに進むだろうが、問題となるのはトラオレを抑えるための守備。そこでスパレッティはマリオルイとクリバリの2枚体制で対応することを決意。これによってトラオレがボールを持つと、クリバリがつり出されることになり、中央のスペースが広くなってしまうが、それなりのメリットにはそれなりのデメリットが付いてくるという割り切った考え方であろう。
強気な姿勢が表れたのは最終ラインの高さと選手起用だけではない。1stlegではブスケツのマークを2トップの片方が担い、もう片方がボールホルダーであるCBにプレスをかけていたが、2ndlegではバルサの2CBへのプレスに2TOPをそのままぶつけ、ブスケツのマークには2ボランチであるファビアンルイスもしくはデンメに任せていた。(ファビアンルイスのケースが多かった)
しかし、これが裏目に出てしまった場面もあり、後述する。
バルサ、思惑通り。
まずは図で取り上げた選手について。デストはバレンシア戦で高パフォーマンスを見せ、先発で起用。大外を得意なプレーエリアとしているトラオレとの上下コンビで大丈夫か?とスタメン発表時には感じていたが、デストはかなり気を利かせたプレーができていたように思えた。
もちろん、ここ最近のトラオレのチームへの貢献ぶりを考えてデストの大好きな大外はトラオレに譲ることとなってしまうのだが、デストはトラオレの状況に応じてポジションを取り、「今は内側、今は外側、今はフォローに行くべき。」など、状況判断能力がここ数週間で高くなったと感じる。
アトレティコ戦、エスパニョール戦を通してデストとアウベスとの差を感じ、ELもアウベスがいないとまずいのではないか?と感じていたが、アウベスの不在を感じさせないデストの働き。このSB、もっと化ける。
次はオーバメヤン。バレンシア戦でハットトリックを達成し、クレが待ち望んでいた決定力のある気が利くCFがついに現れたなという印象を受けた。今回も堂々スタメンに選ばれ、ポストプレーとナポリの最終ラインとの駆け引きを繰り返すことでバルサの選手に前向きでボールを供給しながら最終ラインを下げさせる役割を担っていた。さらにこの試合もダメ押しの4点目を決めながら、1点目のカウンターの起点となり、チームに貢献してくれた。
ナポリのプレッシングが裏目に出たのはデヨングをフリーな状況にさせたこと。人数をかけて厚みのあるプレッシングをバルサにかける意図を持っていたが、ブスケツへのマークに2ボランチのファビアンルイスが出ていくことでデヨングにフリーの状況を提供してしまい、簡単にボールを運ばせる、もしくは展開されるシーンがあった。
復活の兆し、フレンキーデヨング
この試合、攻守において多大なる貢献をしてくれたのがデヨング。シャビによって開発されたデヨングのCB脇でのゲームメーカー的役割はナポリ戦では見られず、後方から前方まで幅広く関わるオールラウンドプレーヤーであった。2点目のゴラッソは言わずもがな、ここぞという場面での寄せの速さは異常であり、ぺドリ、ガビ、ブスケツらの最高級の中盤の選手たちにはなく、デヨングだけが突出して持っているアスリート能力を見せてくれた。
さらに、バルサのハイプレスのスイッチはデヨングのスプリントから入るシーンが多く見られ、今回の試合のカギともなったバルサのハイプレスの0→1を始動し、バルサにおいてとても重要なハイプレスからのボール支配を実現するキープレイヤーとなった。
ブスケツが抜けたあとのアンカーでのプレーもブスケツとのプレースタイルは大きく違うものの、これまでのデヨングより安定感を増したように思えた。
小澤さんもこの試合のMOTMはデヨングと答えていた。
あえてのロングボール
今回のナポリ戦、妙にロングボールが多いなぁって思っただろうか?バルサがロングボールを多用する試合はほとんどと言ってもいいぐらい内容は著しくないが、今回の快勝ぶりを見れば、ロングボールがバルサにとって優位にはたらいたと解釈することができる。
バルサがロングボールを多用することになった要因は明確である。そう、先述したナポリの強気の姿勢によって設定された高めの最終ラインと前からはめ込もうとするハイプレスだ。過去のバルサは逃げ場のないハイプレスには滅法弱く、唯一の解決策といっていいほどであるロングボールも全く有効ではなかった。なんせ、前線でロングボールを受けるのはメッシだったからである。
しかし、今のバルサでロングボールを受けてくれるのは高身長のオーバメヤン。ナポリにも高身長かつ完成度の高いCBのクリバリがいるものの、メッシがいる時代と比べれば、競り勝つ勝率は跳ね上がっているだろう。競り勝つ勝率があがったが、必ずバルサにボールが渡るはずではない。しかし、今回ロングボールがバルサにとって優位にはたらいた理由はナポリのハイプレスによる、最終ラインと2列目との間にできた広大なスペースである。
先述した通り、ファビアンルイスやデンメをブスケツのマークにつかせるほど前がかりにプレスをかけるため、どうしてもセカンドボールを拾う選手が少なくなってしまうのだ。
前半終了。ナポリはビルドアップ、バルサは守備でそれぞれ脆さを見せたものの、前半を制したのは3得点を奪ったバルサ。前がかりに圧をかけるナポリの裏をかくようにロングボールを織り混ぜながら試合を優位に進めた。後半は失点をしてスタジアムの空気に飲まれないよう勝利へ持っていきたい。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月24日
それが顕著に出たのが2点目のデヨングのゴールシーン。
精度の上がったプレッシング
2-4、最終スコアは3-5で終えたナポリとの試合、もちろん多くの人がセリエAで最少失点を誇っているナポリから5点を奪ったバルサの攻撃力に注目してしまうが、プレッシングの強度、精度の向上からは目を背けるべきではない。
バルサのはめ込むプレッシングの特徴はサイドへの圧縮とマンマークディフェンス。それがきれいにハマったのが15分25秒前後のシーン。
まずはメレットからボールを受けたディロレンツォに対してフェランが軽く寄せ、デンメへのパスを誘発。ディロレンツォからボールが離れた瞬間にはもうデンメへのプレッシングを行っているぺドリ。デンメがボールを受けたころには味方の選手はもうマンマークされており、前方に選択肢はない。仕方なくラフマニにバックパスしたところをオーバメヤンがクリバリへのパスコースを切りながらプレッシング。これでラフマニは為す術もなくロングボール。前方にはオシメーンがいたが、オフサイド。これでバルサがボールの回収に成功した。
この一連の流れはバルサの組織としての連動性も素晴らしかったが、オーバメヤンのDFとしても力を発揮するところに非常に感心した。
思ったよりもナポリのチームとしてのビルドアップは高くなく、バルサに何度もひっかけられているにもかかわらず何度も組み立てを試みてくれたことは、バルサのプレスがハマる要因の1つであったかもしれない。
今回は以上です。いかがでしょうか?無事ELのプレーオフを通過し、いよいよベスト16の戦い。相手はトルコのガラタサライですね。どんなチームかが全く分かりませんが、今のバルサなら十分ELを優勝できる実力はあるはずです。怖がらずに挑みたい!
最後までお読みいただきありがとうございました!
多くの方に読んでいただきたいので、この記事の拡散をよろしくお願いします!
では。