La Liga21-22シーズン 第26節 バルセロナvsビルバオ マッチレビュー

どうも、くれたです。今回はビルバオ戦のマッチレビューです。今シーズンリーグ戦で引き分け、国王杯で敗北を喫している苦手なチームに対して、2試合連続4得点中の絶好調バルサはどのように挑んだのでしょうか。

 

多くの方に読んでいただきたいので、拡散をお願いします!

 

今回は簡単なものですが、グラフを作成して載せてみるので、そちらもぜひ!

 

 

 

スタメン

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バルセロナ

リーガでの出場停止の制裁を消化し、久しぶりに試合へと戻ってきたアウベス、出場停止のアルバの代わりに左SBで出場したデスト、オーバメヤンに期待が集まる。これは自分だけかもしれないが、デストには偽SB的な動きを期待していた。今回の中盤はぺドリとガビが選ばれ、デヨングはベンチから。なんともシャビは豪華な中盤の選択肢を持っている。

 

ビルバオ

バルサ戦後に国王杯の準決勝を控えているということで、大幅なターンオーバーを行ってきたビルバオ。毎試合バルサが手を焼いているイニャキ、ムニアイン、イニゴマルティネスらがベンチからのスタートとなった。ターンオーバーをしたとはいっても、このメンバーをスタメンで揃えられえるのはかなりすごいことなのではないかと思う。

 

両チーム嚙み合わせ

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再現性の高いパターン化されたバルサ

前回対戦の国王杯で惜しくもビルバオに敗北を喫したバルサであったが、今回の対戦では見違えるほどの完成度で臨んできた。アトレティコ戦前の2週間に渡る代表ウィークを機に各選手の立ち位置と役割はかなり整理され、シャビによって今何をするべきなのか、今どこにいるべきなのかが多くの選手の頭の中にインプットされ、それがアトレティコ戦で4得点という形でアウトプットされた。

 

今回のビルバオ戦でも4得点という形で幕を閉じたが、その要因は各場面における最適なプレーのパターン化の成功や、高い再現性の実現であると考えている。

 

そのなかでもくれたが高い再現性を感じた場面は左サイドの3人でポジションを入れ替えながら行われた循環の動きである。この循環の動きが顕著に表れていたのはアトレティコである。確実に数的優位を確保しながら連携を駆使して前進、それができなければ左サイドで密集を作って右サイドのトラオレアイソレーションを活かすといういかにもバルサらしいアクションビルバオ戦でも見ることができた。

 

さらに感心したことは、この循環に動きがアトレティコ戦とは全く違う選手でもできていたということである。アトレティコ戦では左サイドはデヨング、ガビ、アルバで構成され、ビルバオ戦ではぺドリ、フェラン、デストの3選手で構成されていた。左SBが本職ではないデスト、まだまだボールが落ち着かないフェランがいたものの、ぺドリ立ち位置とリズムをうまくコントロールしていた。

 

後方での数的優位の確保は今回もアウベス兄貴が手伝ってくれた。ビルバオの選手の立ち位置によってアウベスがいるべきポジションを少しずつ調整し、時には内側、ある時には外側など、うまく使い分けていた印象。

 

後方はブスケツ+4バックの5枚、前方は的確に5レーンを埋めるように選手を配置していた。

守備一辺倒のビルバオ

大幅なターンオーバーを行い、ベストメンバーとはいえない布陣で臨んだビルバオ。前回対戦の国王杯、La Ligaの第2節と大きく違ったのが守備戦術

その2試合のレビューも貼っておくのでぜひ。

 

cule-tactical.hatenablog.jp

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さて、今シーズンのこれまでの対戦と大きく違っていたのは守備戦術だと述べたが、それはハイプレスかリトリートでの守備かということ。これまでの2試合でバルサビルバオ洗練されたハイプレスにかなり苦戦を強いられ、ロングボールで回避してもすぐに距離を詰められボールロスト。そこからはとにかくイニャキを背後に走らせる地獄絵図を見せつけられていた。

 

しかし、今回の対戦ではビルバオ側は大人しくリトリートでの守備ビルバオマルセリーノ監督が直近のバルサを見てまずは保守的なスタイルで固く守るというコンセプトをおそらく選択したのだろう。その上、大幅なターンオーバーにより今のバルサをハメ込めるほど完成度の高いハイプレスはできないと判断したとも考えられる。

 

だが、それでもビルバオビルバオであった4-4-2のコンパクトなブロックを形成しバルサに対応。プレスのかけどころをミドルゾーンに設定し、ミドルゾーンではバルサに自由を与えない意図。しかし、ブスケツ、ぺドリ、ガビがそれを許さない。ビルバオのプレッシングをものともせず、右へ左へボールを見事に展開し、ビルバオの守備ブロックを揺さぶりに揺さぶって翻弄した。

支配率と数字には表れない主導権

今回のビルバオ戦でも72%の支配率を記録したバルサビルドアップ面の改善を行い、クーマン体制時にはほとんど規則性もなかったと言ってもよいプレッシングの秩序を作り出したシャビ。チームに再現性、規則性、秩序を生み出し、試合内容の劇的な改善の成功した。

 

クーマン体制時とシャビ体制での支配率の上がり方を調べてみたところ、下のグラフのようになった。(扱った試合はシーズン開始12試合と2022年のこれまでの12試合)

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クーマン体制時 平均支配率64.1%

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シャビ体制 平均支配率65.3%

監督がクーマンからシャビに変わり、支配率がグッと上がったと思われた方も多くいると思うが(事実、自分がそうだった)、実は大きな差は表れなかったクーマン体制時から支配率は安定しており、特にグラナダ戦やアトレティコ戦では70%を超える支配率を記録している。しかし、相手チームもボールを握りたいチームであると、支配率はほぼ50%近くまで下がり、思うように試合のペースを握れていなかったことが推測できる。

シャビ体制でも国王杯のリナレス戦、アラベス戦、ビルバオ戦での70%越えの支配率が目立ち、クーマン体制時と同じくそこそこ支配率は安定している。平均支配率には大きな差こそ表れなかったものの、試合のペースを握ることができた試合クーマン体制時と比べて多いような印象を受けた。これはクーマン体制時にはなかった守備時の秩序を生み出し、プレッシングをチームに仕込んだシャビの功績だろう。

 

さらに、クーマン体制時と違う点はビッグマッチでも戦えるチームになったこと。クーマン体制時ではバイエルン戦は仕方ないかもしれないが、アトレティコ戦、ベンフィカ戦、マドリー戦で敗北している。シャビ体制ではマドリー戦で敗北してしまったものの、アトレティコ戦で勝利、バレンシア戦で快勝、イタリアの強豪ナポリ相手には1勝1分という結果を残した。

手に入れた得点力

ビルバオ戦で4得点を記録し、バレンシア戦、ナポリ戦と続いて1試合4得点を達成したバルサが手に入れた得点力はもう偶然のものではないと思われる。上の支配率と同様にクーマン体制時とシャビ体制時を得点力の面でグラフを作成し、比較を行う。

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クーマン体制時 平均1.3点

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シャビ体制時 平均2.3点

上記の支配率のグラフとは違ってこちらの差は歴然である。平均得点が1点も増えている。クーマン体制時には開幕戦のソシエダ戦こそ4得点したものの、0得点の試合が目立ちシャビ体制時には0点の試合はない。しかも、クーマン体制時での0得点の試合はバイエルン戦を除いてアウェーゲームであり、ナポリのアウェー戦やバレンシアのアウェー戦でも4得点できているという点を見れば、多少はアウェーゲームにも強くなったと言えるかもしれない。

 

ここまでシャビの率いるバルサが得点力をつけた要因を考えてみると、冬のマーケットでプレミアからFWを一気に3人もつれてきたこともあると思うが、個人的に1番の要因はシャビの仕込みによる攻撃アクションのパターン化の成功だと思う。

スーパーサブ、デンべレ

ビルバオ戦、67分にフェランと交代したデンべレは欲しかった追加点を奪い、そのあとにルークデヨングとデパイへ見事なアシストを記録して途中出場ながら1G2Aという驚異的なスタッツを残した。さらに、2つのアシストは左足と右足でそれぞれ記録したもの。さすが両利きである。

 

なにかとやらかし、カンプノウでもブーイングされるデンべレであるが、ここまでの活躍をされると拍手するべきを得ない観客たち。

 

こんなデンべレをこれから安定して活躍させるにはやはり今回のような後半からのスーパーサブ起用だと思う。後半まで守備に走らされ、疲弊しているところに足が速く、テクニックもあるデンべレが出てくるとそりゃ対応に困る

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しかし、こんなデンべレにも短所はあり、それは周りとの連携の出来なさ。SBとの簡単な連携ぐらいはできるのだが、中央での複雑な連携にはまだまだという感じ。これを考慮するとますますデンべレは後半からの起用の方がチーム的にも良いのではないかと思う。

 

今回は以上です。いかがでしょうか?3試合連続4得点とノリに乗っているバルサ。次節はアウェーでのエルチェ戦。最近のエルチェの調子はよく知りませんが、今の好調バルサなら勝てるはずです!

 

多くの方に読んでいただきたいので、拡散をよろしくお願いします!

今回のようにグラフがあるといいなと思ってくださった方はぜひ教えてください!

では。