La Liga 第25節 バレンシアvsバルセロナ
どうも、くれたです。今回はバレンシア戦のマッチレビューです。前ヘタフェ監督のボルダラスが今シーズンからバレンシアの監督に就任し、いい意味でも悪い意味でもかなりアグレッシブなチームへと生まれ変わった印象。毎シーズンファールに苦しめられているバルサがボルダラス率いるバレンシアに対してどう臨むかが注目。
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スタメン
冬のマーケットで昨シーズンまでバルサに所属していたモリバをライプツィヒから、トッテナムからブライアンヒルを獲得し、バルサ戦でも起用。注目選手はバルサも目を光らせている左SBのガヤ。攻守両面で活躍できるスペイン人。
怪我復帰直後のアラウホやナポリ戦で初スタメンを飾ったオーバメヤン、ナポリ戦でカンプノウであるにも関わらず、サポーターからブーイングを受けたデンべレを先発で起用したシャビ。出場停止のアウベスはバレンシア戦までのため、次節から出場可能。デヨングのIHは左で固定されつつあり、ナポリ戦でデンべレ、デストとの連携を見せたガビは右IHで起用。
おそらくナポリ戦での出来を見て、右のデンベレに合わせて右IHはガビだろうから、今日の試合のガビがペドリのようにライン間でゴールに直結する仕事をできるかどうかが個人的な注目ポイント。 https://t.co/zrCSfty7Cm
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月20日
両チーム嚙み合わせ
まずはバレンシア側から。
バレンシアはスタートポジションと同じく、守備時も4-4-2のブロックを形成。バルサ含め、他の多くのチームが守備時に4-4-2のブロックを形成するが、バレンシアらしさがでた箇所があった。
バレンシアらしさがでたのは、両SHとドブレピボーテの守備時の動きである。両SHはバルサのSBがトラップする瞬間にプレッシャーをかけるわけではなく、ボールが渡ってから勢いを持ってプレッシャーをかけに行く姿勢が印象にに残った。さらに、ドブレピボーテはガビとデヨングへのマンマークをかなり意識しており、バルサにピッチ中央での主導権を握らせないという意図を感じた。
また、これまでマッチレビューを投稿してきて気づいたのだが、バルサと対戦するチームのほとんどが採用している守備の仕方がある。それは2トップの片方がボールホルダーのCBにプレッシャーをかけ、もう一人がブスケツを抑えるという守備だ。素人目線の僕でもわかるように相手チームにとってもブスケツはやはり厳しく抑えておくべき存在。しかし、ブスケツはCB間に降りて3対2の数的優位を生み出したり、様々な策を持っているため相手にとってはかなり厄介だろう。
次はバルサ側。
バレンシア戦では、シャビが就任してこれまでの試合とは違った攻撃の仕方が見られた。いつもはWGが大外に張ることで幅の広さを確保していたが、バレンシア戦ではWGがハーフスペース、SBが大外に張ることで幅を取っていた。これはCF気味にポジショニングするフェランと外側でも内側でも遜色なくプレーできるデンべレの特徴を考慮し、デストとアルバを得意なプレーゾーンである大外で起用するという相性の良い組み合わせでシャビは試合に臨んだ。
バレンシア戦、いつもとは違ってWGではなくSBが幅を取る役割に。CF気味にポジショニングを行うフェランと内側でもプレーできるデンべレの特徴を考慮し、大外を主に専門とするデストとアルバの長所を活かした采配。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月22日
特にデストはやりやすさを感じていた印象。
バルサはここ数試合からボール保持をしながら相手陣地へ安定して押し込めるようになってきたため、DAZNの解説を担当した小澤さんもおっしゃっていたように、ゴール前に人数をかけて攻め込むことが可能となってきた。そのため、厚みのある攻撃から即時奪回もかなり現実的なものとなっており、クレたちが見たいバルサのサッカーへとドンドン近づいている印象を受けた。
これはこれまでの試合のマッチレビューでも記述したことなのだが、試合を見るたびに本当に各選手の役割と配置が整理されたように見える。これは低迷していたデヨングやデストだけに限らず、新加入のオーバメヤンやフェラン、トラオレにも一貫して言えることである。
余裕を与えないプレッシング
これまた小澤さんのお言葉からの引用なのだが、監督がシャビになってからバルサは守備時の切り替えやプレッシングがかなり改善された。バレンシアに余裕のあるボール保持を許さず、常にプレッシャーを感じさせるほど、バルサの攻→守の切り替えがすさまじく改善されており、プレッシングの速度もクーマン体制時とは段違いだ。
これは8分41秒の即時奪回のシーン。ガビがボールロストしたものの、ガビ自身がファーストディフェンダーとなり、ブライアンヒルへプレッシング。スペースの狭い方へと誘導しながら人数をかけてプレーを制限。直接的にボールを奪い取ったというわけではないものの、ブライアンヒルのミスを誘発することでバルサのボール保持の時間を再び開始することに成功した。
背後を取った得点
結果的に1-4というスコアで改称したバルサは4得点のうち、前半の3得点はすべてバレンシアの背後を取ったことから生まれた。
1点目はバレンシアのハイラインを突いたオーバメヤンの裏へのランニングに絶好調のアルバがピンポイントのパス。うまくバレンシアのGKの肩口、ニアハイを狙いすましたシュートでフィニッシュ。僕はオーバメヤンがこのシュートを決めた時に、「これを決められるCFが欲しかった。」と心の底から感じた。
2点目もアルバの決定的なパスからの得点。これは一旦ボールロストしてしまうも、ガビがすかさずファーストディフェンダーとしてプレッシャーをかけて、バレンシアのCBであるアルデレーテがスローインに逃げることを選択させたことから始まった。スローインの流れからデストが中央へボールを運んでブスケツへパス。ブスケツは「いつ見てたんだよ」って言いたくなる角度にいたアルバへダイレクトでパス。パスを受けたアルバが背後を狙うデンべレへ見事なパスを送り、誰よりも早く動き出した中央のデヨングに折り返してゴール。素晴らしい一連の流れであった。
3点目は3人目の動きを活用することで背後を取ったシーン。デストとデンべレの連携でうまく時間を作り、その隙にガビがガヤの背後をとるポジショニング。ガビを見逃さなかったデンべレが鋭いパスを刺し、ガビが中央のオーバメヤンへアーリークロス。一瞬オフサイドにも見えたが、すでに勝負ありだった。
ここで改めてこの3得点で見えたバルサの相手の背後を取るパターンを振り返っていく。
1点目はスローイン後のバレンシアの切り替えの甘さを突き、乱れた最終ラインの背後を取ったことによって生まれた得点。
2点目はダイレクトパスを連続させることによってバレンシアの選手の視線を集め、バレンシアの最終ラインが上がることを逆手にとって背後を取ったことによって生まれた得点。
3点目は捕まえるのがなかなか難しいと言われる3人目の動きを駆使して背後を取ったことによって生まれた得点。
まとめるとこうなる。
・切り替えの甘さを突く
・ダイレクトパス&ラインの上げ下げの穴
・3人目の動き
前半終了。0-3。全て相手の背後を突いてからの得点でバルサらしく試合を進めた。次節ビルバオ戦でのアルバの欠場は確定したものの、おそらく代わって入るデストの調子はかなり良い。後半はクリーンシートを意識しながらボールを支配して追加点を狙いたい。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月20日
Top of topに近いぺドリ
59分にデヨングと交代して入ったぺドリ。約35分間の出場であったのにも関わらず、存在感を示したスーパーな19歳。当マッチレビューでは毎試合ぺドリを褒めている気がしなくもないが。。。しかし、彼はそれだけすごい。毎試合取り上げて書く価値があるのだ。
彼のすごさは攻撃面だけで説明できるものではない。守備にもよく走り、埋めるべきポジションなどをよくわかっている。しかし、特筆すべきは攻撃面。これまでのマッチレビューでは、ライン間でボールを引き出して前を向くアクションのスムーズさや狭いスペースでもボールを失わないキープ力を取り上げたが、バレンシア戦で垣間見えたのは試合を落ち着かせる能力だ。後半に失点し、バルサの課題であった間延びが露呈しつつある中で出場したぺドリ。
急ぐ場面でないと判断した時には「急いで前に行かなくていい」というジェスチャーでチーム全体を落ち着かせ、バレンシアの守備ブロックに穴が見えたら必殺のスルーパスで一気に勝負をつけに行く余裕を持つ19歳。2シーズン前までラスパルマスにいたとは信じられない。これからに期待。
今回は以上です。いかがでしょうか?次節はまたもや強豪のビルバオ戦。復活してきたバルサならいける!かもしれませんが、まさかのアルバが出場停止。右SBはアウベスが入るとして、個人的な予想ですが左SBにはデストが偽SBのような役割で起用されるのではないかと期待しています。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
では。