La Liga21-22シーズン 第23節 バルセロナvsアトレティコ マッチレビュー
お久しぶりです、くれたです。今回は大一番であるアトレティコ戦のマッチレビューになります。バルサは冬のマーケットでリーガのクラブの中で1番派手な動きを見せ、アトレティコ戦でも新加入選手たちの活躍が期待されました。
新加入選手はこちら。
アダマ トラオレ ウルヴス→バルセロナ(今シーズン終了時までのローン移籍)
どの選手もプレミアリーグからの移籍であり、元所属チームではバリバリの主力!というわけではない選手たちなので、ここでもプレミアリーグとリーガとの間の力の差を感じますね。
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スタメン
バルセロナ
先ほど紹介した新加入選手が2人。フェランとトラオレだ。契約更新やら、今冬での放出やらでクラブと揉めているデンべレをベンチに置き、ガビを左WGに起用。デヨングとぺドリをクーマン体制時とは逆サイドで起用。デヨングをCB脇で、ぺドリを右サイドのハーフスペースでそれぞれ活躍させる意図。
アトレティコ
欠場選手としてグリーズマンとジョレンテ。ジョレンテの欠場はバルサにとってかなり大きい有利であったと思います。また、トリッピアーがニューカッスルに移籍したことで、ヴァスをバレンシアから獲得しましたが、バルサ戦ではブルサリコを起用。
両チーム嚙み合わせと圧巻のアウベス
取り上げるべき点がかなりありますね。スアレスが常にブスケツへのパスコース切りを意識していたため、アウベスが中央に移動することで左SHのフェリックスを中央に連れてくるとともに後方での数的優位を作り出しました。
しつこくブスケツをケアしていたスアレスを見てアウベスが中央に移動してビルドアップに参加。常に数的優位の状況を作るために多方面に関わっていたアウベス、流石すぎる。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月7日
左サイドはデヨング、アルバ、ガビの3人のトライアングルを活かして確実にボールを保持しながら前進に成功。この3人は状況に応じて柔軟にポジションチェンジを繰り返し、アトレティコに捕まえどころを作らせない巧みな動きを見せてくれました。特にガビが中央に入る動きと連動してアルバが裏に抜け出すコンビネーションの形は久しぶりに見られました。メッシがいたら毎試合見れた形なんですけどね。
裏に抜け出すアルバにいつも美しいパスを供給してくれていたメッシがいなくなったことで、アルバの武器が一つ消えてしまったといっても過言ではありませんでしたが、その解決策もアウベスでした。もう、あっぱれです。。。
まだまだアウベスを褒めるべき点があります。先述しましたが、アウベスの中央移動に釣られてしまった選手がいます。そう、フェリックスです。もちろん、全くついていかないのもそれはそれで問題ですが、フェリックスが中央に連れて来れられたことによってアトレティコ側にとって分が悪い展開が作られます。それは右サイドでのトラオレvsエルモソという構図がきれいに出来上がってしまったことです。プレミアでのトラオレの活躍をぼんやりとでもご存じの方は、トラオレが1対1の局面で絶大な力を発揮することを想像することは難しくありませんよね。強靭な肉体によって可能となった一瞬のスピードとプレミアの選手たちでさえも吹っ飛ばしてしまうフィジカルでまさに”ゴリゴリ”というようなドリブル。前半だけでも2.3回はエルモソとのマッチアップを制したシーンが見られ、中にはガビへのアシストもありました。
5-3-2への変形と前半の主導権
アトレティコは幸先よく先制点を奪いましたが、あっという間にバルサが2得点し、逆転に成功しました。その2点両方がバルサの右サイドでのトラオレvsエルモソのマッチアップが影響を与えていました。ということで、シメオネはトラオレに対して1vs2で対応できるように26分あたりでカラスコを左SBに置いて4-4-2から5-3-2へとプラン変更しました。
この5-3-2へとシステムチェンジを行ったことが、前半の主導権の奪い合いにおけるバルサの勝利を意味するものだと思います。カラスコが右SHとしてプレーしていた時間帯でもデヨング、ガビ、アルバのトライアングルに手を焼いて高い位置はとれていませんでしたが、左SBになったことでSBとしてトラオレとマッチアップしながら、ボールを受けても低い位置から攻撃を切り替えないといけない状況に追い込まれてしまいました。結果的にバルサはアトレティコの攻撃のオプションの1つとして貢献していたカラスコの機能不全を引き起こしたということになりますね。
さらに、当ブログでも再三記述してきたことですが、5-3-2には守備時において明らかにカバーしきれないスペースが出てきます。皆さんもお分かりであろう3人の中盤の脇です。リードした展開である程度アトレティコ側の様子を見ながらボールを回せるバルサにとってはこの3人の中盤の選手の脇はかなり都合よく使えるスペースとなりました。
さらに、その3人の中盤の脇のスペースを活用したのはこれまたアウベス兄貴。フェリックスが5-3-2の2トップとなり、それによって空いたその側のスペースをアウベスが突く。フェリックスは抜群のポジショニングを取っているアウベスに対して後手後手のアクションを起こすようになりました。
前半終了。先制点を許し幸先の悪いスタートかと思われたが、終わってみれば3-1。リードしてからは主に左サイドでアトレティコの5-3-2の脇を使いながらボール保持し、右サイドで圧倒的な個の力を見せたトラオレに勝負させる展開。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月6日
後半はリードの展開を活かして有利に進めたい。
脆くも整理されつつある守備戦術
アトレティコ相手に4得点と大量得点を記録したものの、守備における脆さはまだまだ健在でした。あっさりと前進を許す場面が見られ、気づいたらチャンスを作られて先制点を許してしまいました。しかし、アトレティコ戦に臨むまでに空白だった2週間でかなり整理された印象を受けました。
整理された守備戦術が見られたのはこのシーン。ガビがドリブル突破を試みるも、ボールをブルサリコに奪われてしまったあとの展開。バルサの各選手が近くにいるアトレティコの選手を捕まえながら、ボールホルダーであるサヴィッチに最も近いフェランが背中である程度ヒメネスを抑えながらプレス。結果的にサヴィッチを狭い方向に誘導しながら、自由を奪ったところでガツンと当たってルーズボールを生み出してデパウルを捕まえていたフィルター役のブスケツが回収。実に奪い返すまでの時間は約6秒。即時奪回の基盤ができ始めていますね。
この2週間で整理して仕込んだシャビによって植え付けられた自信を伴うハイプレスは思い切りがあってアトレティコにとってかなり驚異であったと思いますね。
試合の無かったこの2週間でハイプレスの落とし込み、各選手の役割と立ち位置が整理された気がする。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月6日
苦しみ、耐え抜いた10人体制
アトレティコ戦で1G1Aという大活躍をしたアウベスが68分にカラスコのふくらはぎを後ろから踏みつけたとして1発レッド。バルサはここから10人でゴールマウスを守ることとなりました。しかも苦しいのが57分に1点を返されて4-2のスコアで流れがアトレティコ側にあったこと。さらにアトレティコは前節にバレンシアと対戦したのですが、先に2点のリードを許すも、劇的な逆転勝利を飾っており、ビハインドの展開から巻き返すメンタリティは持ち合わせており、バルサは押される一方という構図が出来上がってしまいました。
ここでシャビは交代カードを切ります。アウベスがいた右SBにガビと交代でデストを投入。4-4-1の1トップにオーバメヤンを置いてなんとか耐え凌ぐ意図でした。アトレティコの攻撃パターンとして多かったのがヴァスの裏への抜け出しとロングボールの放り込みです。
ヴァスはまだ移籍して間もなく、連携面での完成度が低かったからか、致命的な決定機を作られることはありませんでした。さらに、ロングボールの放り込みもアラウホとピケがことごとく跳ね返してくれたことでこぼれ球をスアレスに拾われてシュート。なんていいう展開も生まれることはありませんでした。
ただ1番疲れていたのはおそらく中央のブスケツとデヨングでしょう。この2選手はスタメンとして出場し、10人になってからは中央を締めながらチャレンジ&カバーを行わなければならなかったので、肉体的にも精神的にもかなり疲労は来ていたのではないかという印象を受けました。彼らの的確なチャレンジによってアトレティコの選手たちのプレー選択におけるミスを誘う場面も見られました。
このような時間が最後まで続いて試合終了。後半のほとんどが完全にアトレティコペースだっただけに本当によく勝ち切ってくれたと思います。
今回は以上です。いかがでしょうか?クーマン体制時に課題となっていた強豪相手との試合をついに制することができましたね。いくら調子の悪いアトレティコといっても、メッシ抜きで勝てるようになったことは大きな成長だと思います。
さて、次戦はヨーロッパリーグのプレーオフであるナポリ戦の1stlegです。現在のナポリの状況はよくわかりませんが、大きな壁として立ちはだかることはほぼ間違いありません。アトレティコ戦のような試合をして勝利したいですね。
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では。