スーペルコパ 準決勝 レアルマドリード戦 マッチレビュー
どうも、くれたです。今回はサウジアラビアで行われるスーペルコパの準決勝、マドリー戦のマッチレビューです。怪我人の復帰、フェラントーレスの加入などいくつかのポジティブな要素はありますが、なんといっても相手はマドリー。エルクラシコです。マドリーがリーガで独走中だとか、バルサの調子が悪いとかそんなものは関係ないバチバチの試合です。
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スタメン
怪我組が復帰したものの、スタメンに見られた新しい顔は新加入のファラントーレスのみ。ガビとデヨングも基本のサイドとは逆側のインサイドハーフを任されました。ここ最近好調のルークデヨングがCFに起用されました。
一方マドリーはアラバが負傷で代わりにナチョが出場しているが、ナチョ以外はおそらくベストメンバーであろう。もちろく要注意選手は今シーズン絶好調のベンゼマとヴィニシウス。
両チーム噛み合わせ
バルサを上回ったマドリーのビルドアップ
バルサ、守備時は基本的に4-4-2のブロックを形成し、マンマークディフェンスを導入しました。守備時の初期配置が4-4-2というだけであって、マンマークを採用していることもあり、正直ブロックというブロックではありませんでした。
今回のバルサはマドリーのビルドアップに対して人数をかけて片方のサイドに追い込む形のビルドアップを採用しましたが、そう簡単には追い込ませてくれません。特にマドリーで輝いていたのがクロースとモドリッチです。クラシコでは毎試合バルサを苦しめる選手ですが、今回も活躍していました。
しかし、バルサはハイプレスとマンマークディフェンスを採用しているため、マドリーの回避能力が高くても、前に出てプレスをかけざるを得ませんでした。これが前半にマドリーを優位に立たせた理由だと思っています。バルサは前に出ないといけませんが、現在のマドリーの前線には絶好調のヴィニシウスとベンゼマが君臨しており、バルサは常にカウンターによる彼らの裏への抜け出しをケアすることを強いられました。
バルサは前線からプレスをかけていきたいけど、マドリーのビルドアップ能力が高すぎる&絶好調のベンゼマとヴィニシウスの裏抜けをケアするためにバルサの最終ラインは高めに設定しにくいし、かといってラインを下げると前線〜最終ラインまでに大きなスペースができてしまう。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月12日
すると、ここで1つの矛盾が生まれます。
「しっかりラインを上げながら人数をかけてハイプレスをかけたい!、、けどラインを上げすぎるとヴィニシウスとベンゼマのカウンターに対応できないからラインを上げたくない!」
今案気持ちをバルサが持っていたことで、前半は守備時に2列目と3列目の間の距離がかなり広がっていました。先述しましたが、マドリーにはバルサのプレスを回避するための力を十分に持っていたため、プレスを回避した後にはバルサが空けてくれている広いスペースを余裕を持って使えていました。
マドリーの仕掛けた罠
マドリーの仕掛けた罠というわけですが、これはマドリーの守備時の対応の話になります。
マドリーは前線からは積極的にプレスかけてきませんでした。アンチェロッティの率いるマドリーならハイプレスでバルサのビルドアップを苦しめる方が得策なのでは?と考えた方もいらっしゃるかもしれません。
ハイプレスが得策であるかどうかは置いといて、僕はマドリーにその能力はあると思います。
では、なぜアンチェロッティはバルサのビルドアップに対してハイプレスの選択肢を選ばなかったのでしょうか。実はその理由はマドリーの攻撃時に明らかになります。今回の試合のマドリーの主に採用していたボール保持時のプランがありました。そう、カウンターです。
マドリーはあえて前線からハイプレスをかけないことによってバルサをミドルゾーンより自陣側に前進させることで、バルサの最終ラインの後方にカウンターを行うための広大なスペースを作り出しました。
この戦術、以前にもマッチレビューを書いた際に今回のマドリーと同じような戦術を採用したチームがありました。そのチームは実はカンプノウで行われた前半戦クラシコのマドリーなんです。今回の1点目と3点目はまさにマドリー側の狙い通りのゴールだったのです。
バルサのボール保持時にマドリーが前線からハイプレスをかけずにミドルゾーンまで前進させてから、ボール奪取してカウンターを狙う戦術はカンプノウでのクラシコと同じ。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月14日
3点目はその典型的な例。
前半戦クラシコのマッチレビューも貼っておくので、ぜひお読みください!
後半で見えたシャビの修正力
修正力や守備の組織が微妙だと言われているシャビですが、後半には前半の問題点を修正していたように見えました。
その問題点とは、守備時にバルサの2列目と3列目の間の距離が広がっていたことで、マドリーの選手に余裕を持ってボールを運ばせてしまっていたことです。
後半を見返していただくと分かるのですが、マドリーのビルドアップに対してハメにいくときに明かにバルサの最終ラインは前半よりも高い位置を取っており、もし前線からのプレスを回避されたとしても、2列目と3列目のライン間の距離が狭くなっているため、マドリーの選手は前半ほど余裕がなく、アバウトなボールを蹴らざるを得ないシーンが多くみられました。
得点にこそ繋がらなかったものの、バルサが後半になってから長時間試合の主導権を握れていたことは紛れもない事実でした。あの時間帯に決め切れていたら、もっと優位に試合を進め、勝利できていたと考えてもいいと思えたぐらいです。
あの時間帯に決め切れるかどうかが本当に強いチームかどうかを分ける1つの指針になると僕は思っています。そう考えると、バルサにはまだまだ伸びしろを感じます。
圧巻のぺドリ
何カ月もの間、ぺドリ不足に襲われていた僕たちクレですが、やっと帰ってきてくれました。前半出場していたデヨングとの交代で入ったぺドリでしたが、圧巻のパフォーマンスでした。
本当にあのポジショニングというかスペース察知力は恐ろしいですね。気づいたらいてほしいところに現れていてボールを引き取って前線へとつなぐ。小澤さんも「この試合のMVPを選ぶなら、ぺドリですね。」とおっしゃっていたほどです。
彼はスペース察知力だけでなく、オフザボールにも長けています。これはもう一度クラシコを見返せる方がいたら見ていただきたいんですが、56分11秒のぺドリのオフザボールの動きです。モドリッチは直接ぺドリを見れていた場面ではありませんが、何度も駆け引きをして最終的にはピケからのパスコースを作り出しています。
もう一度クラシコを見れる人は56分11秒からのぺドリのモドリッチとの駆け引きを見てほしい。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月14日
モドリッチがぺドリを背中で見ているといっても、完全にモドリッチを外してピケからのパスコースを開けている。
ぺドリだけでなく、アンスもかなりいいパフォーマンスを見せましたが、試合後のインパクトではぺドリの方が個人的には大きかったです。これからガビやデヨング、ニコとどのように組まれてどのような役割を担うかは分かりませんが、確実に軸として活躍してくれるでしょう。
明るい未来が見えたバルサ
クラシコに負けてしまったことは事実ですが、確実に明るい未来が見えた試合でした。メッシが移籍し、これからどうなるんだろうと開幕した今シーズン。クーマンに振り回され、リーガは連勝などできず、しまいにはCLはグループステージで敗退。(シャビ体制での試合もあったが)すると心のクラブを助けんとばかりにシャビが監督に就任。そこからバルサのサッカーは劇的に変わりました。
戦術はかなり理論的に、再現性のあるパターンがつくられ始めました。毎試合勝てているわけではありませんが、着実に1歩ずつ正しい方向に踏み出せています。敗退は敗退として受け止めなければいけませんが、様々な要素を加味して評価するのが妥当だと思いますね。
1番悔しい試合だけど、今シーズンで1番楽しかった。やっぱクラシコは至高。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月12日
負けたのはめちゃくちゃ悔しいけど、リーガ独走のクラブにここまで喰らいつけたこと、失点は自分達のミスからであること、メッシがいなくても俺たちはやっていけるって思えたこと、着実にシャビと共に歩みを進めていると確認できたことも含めてこの試合は評価するべきだと思う。 https://t.co/sHcbmAJ2TG
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月12日
今回は以上です。いかがでしょうか?今回はかなりの長文になってしまいましたが、ここまでたどり着いていただいた猛者の方々、ありがとうございます。クラシコのマッチレビューなので、いつもより力を入れて書きました。ぜひ拡散していただけるとありがたいです。
では。