La Liga 第24節 エスパニョールvsバルセロナ マッチレビュー
どうも、くれたです。今回はバルセロナダービー、エスパニョール戦です。2009年に敗北してから一度も負けたことがないバルサは今回も無敗記録を維持しつつ、勝利できたのでしょうか。
アトレティコ戦のマッチレビューは皆さんのいいねやリツイートのおかげで、かなり多くの方々に読んでいただくことができました!今回もこの記事を拡散していただけるととてもありがたいです!
スタメン
エスパニョール
4-1-4-1で臨んだエスパニョール。個人的な要注意選手はダルデル。DAZNでは小澤さんがトラオレとマッチアップするペドロサを注目選手として挙げていた。
バルセロナ
アトレティコ戦からの変更点はアウベス→デストのみ。相変わらずデンべレはベンチに置かれたまま。左サイドはデヨング、ガビ、アルバの3人で流動的にポジションを入れ替えながら前進、右サイドはトラオレの対面能力を活かしながら、今までよりもポジションが高くなったぺドリの決定的なはたらきに期待する展開が予想される。
両チーム嚙み合わせ
今回もアトレティコ戦に引き続き、取り上げるポイントが多い。
アラベス戦、アトレティコ戦でも見られていたシャビに対する自身の提案によるデヨングのCB脇に降りてビルドアップに参加する動きが今回は顕著に表れていた。デヨングがCB脇に降りることでアルバを前に押し出し、結果的にアルバをケアするためにエスパニョールの右SHであるプアドが低い位置まで押し込まれて実質5バックとなった。
アトレティコ戦で大活躍を見せたトラオレ。エスパニョール戦でも得意のドリブルで翻弄することを期待され今回もアシストを記録したが、アトレティコ戦のようなセンセーショナルな活躍とまではいかなかった。アトレティコ戦との明らかな違いはドリブルを仕掛ける際の状況とエスパニョール側が1対2の状況を作ったこと。アトレティコ戦では完全にトラオレのペースで仕掛け始めることができていたが、エスパニョール戦では思った通りの形ではドリブルを開始できなかった。さらにトラオレとマッチアップしたペドロサに加えて、必ずと言っていいほどプラス1枚が寄ってきて1対2の状況を作り出して対応していた。さらに、ペドロサがしっかり縦のコースを切っていたために、なかなかトラオレの縦への爆発的なスピードを活かすことができていなかった。
このトラオレの圧倒的なスピードを警戒するあまりに自由を得たのがぺドリ。エスパニョールの陣形が4-1-4-1なだけに、ライン間のスペースが広く、ぺドリはそのスペースをかなり意識してポジショニングしていたように見えた。皆さんもお気づきだと思うが、これまでよりぺドリはかなりボールに直接関与する回数が減ったと思う。これはきっとライン間を意識してポジションを取り始めたからであると思っている。ボールに直接関与する回数は減ったものの、ライン間でぺドリがボールを引き出し、ボールをはたくことでゴールに直結するような重要なはたらきをシャビは期待しているのではないかと推測する。
やはりアトレティコ戦と大きく違った点は右SBのクオリティの差だっただろう。アトレティコ戦ではアウベスが内側に移動して中盤化することでトラオレにフリーな状況を与え、中央でのビルドアップで数的優位を作り出したりしていた。今回のエスパニョール戦でもシャビはおそらく同じはたらきをデストに期待したが、慣れない起用法でなんとか内側にポジションは取るものの、「今、どこでなにしたらいいの?」状態に陥っており、時折ぺドリとポジションが被るシーンも見られた。慣れない起用だったためにこれから数試合はぎこちなくなるのも仕方ないかなと感じている。
とにかく数的優位もしくは質的優位を作らせないためにバルサに対して4-5-1というブロックと肉弾戦で挑んできたエスパニョール。デストの迷走するポジショニングや左サイドの循環の少なさは気になるものの、即時奪回などはうまくでき始めている前半だった。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月13日
アウベスが大活躍したアトレティコ戦のマッチレビューはこちら!
まだの方はぜひ!
エスパニョール側はブスケツにボールを渡すところまでは許しているが、ブスケツがボールを持った状態で自由な状態にすることをとにかく拒んでいた。そのためある特定の選手がブスケツをずっと監視していたわけではなく、中盤の3人であるバレ、エレーラ、ダルデルの内の1人がブスケツのマークを受け渡しながら守備をしていたように見えた。
脆さが出た失点シーン
アトレティコ戦に続き2失点で終えたエスパニョール戦。守備戦術は徐々に整理されつつあるものの、脆さはまだまだ隠しきれていなかった。1点目はエレーラのロングボールがあっさりとデトマースに通ってしまい、シュートこそ打たれなかったものの、タメを作られて周りの選手が攻撃参加し、プレスバックで戻ってきたぺドリの前方にいたダルデルにフリーでボールを通してしまい、ぺドリの寄せがほんの0.何秒遅れてしまったことでダルデルのシュートがぺドリの足に当たってちょうどテアの腕の届かない場所へと吸い込まれていった。
2点目はエリックガルシアのミスから。あのミスはCBとしてかなり致命的であった。味方とのマークの受け渡しのミスか?と思って何度も失点シーンを見返してみたところ、パスが出る前に周りを確認してデストに「ペドロサ(エスパニョールの左SB)をマークしろ!」的なジェスチャーを出していた。そしてエリックガルシア自身はデトマスのマークへ。ここまでは悪くない流れだったが、ダルデルからパスが出ると、ボールの落下地点の予測を誤ってチェックメイト。という感じであった。
シャビの交代策
アルサッド時代から、交代策や修正策においてはそこまで評価の高くなかったシャビの交代策がエスパニョール戦では裏目に出てしまった。後半の62分にデヨングに代えてFWのオーバメヤンを投入。左サイドの何よりの持ち味であった循環サイクルを後方から支えていたデヨングをベンチに下げてしまったことで、左サイドは組織性を失ってしまった。
フェランはカットインしてシュート、もしくはオーバメヤンめがけてクロス、アルバもオーバメヤンへのクロスという厚みのないあっさりとした単調な攻撃しかできなくなってしまった。
しかし、72分には左サイドのガビとアルバを同時に下げてニコとデンべレを投入。先述の通り、左サイドの持ち味であった循環サイクルの要素を1ミリも残さず排除し、デンべレという単独で状況を打開できる可能性のあるアタッカーにチャンスクリエイトを託した。様々な問題を起こしているデンべレを起用することへのうんぬんかんぬんは置いといて、この割り切った采配は良かったのではないかと感じた。
要改善の意思疎通
後半のリードを許してからはチーム全体で攻撃の速度の意識が共有できていないなと感じてしまうシーンが多くみられた。リードを許してしまっている展開のため、どうしても攻め急いでしまう気持ちは分かるが、バルサはボールを握ってナンボのチーム。もう少し慎重に攻め込むことはできなかったのかと感じてしまった。
試合後のインタビューでもぺドリが「チームとして多くの場面で攻め急いでしまった。」というコメントを残していたため、やはり歯がゆさを感じていたのだろう。この問題を改善するには日々の練習でのシャビの教育やピッチ上でブスケツやピケを始めとする重鎮たちの声掛けなどによって改善するのではないかと思う。
このシーンではエスパニョールの最終ラインが乱れているわけでもなく、オーバメヤンがエスパニョールのCBと上手く駆け引きをして裏を取ったわけでもなかったため、ピケからのロングボールは必ずしも有効であるとは言えない。
今回は以上です。いかがでしょうか?バルセロナダービーであり、アトレティコとの試合を制して流れに乗ろう!というムードであっただけにどうしても勝利したい試合でした。失点シーンなどの一瞬の気のゆるみや攻撃時に意思を共有できていなかったりしたところがバルサのまだまだ甘かったポイントだったのかもしれませんね。
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では。
La Liga21-22シーズン 第23節 バルセロナvsアトレティコ マッチレビュー
お久しぶりです、くれたです。今回は大一番であるアトレティコ戦のマッチレビューになります。バルサは冬のマーケットでリーガのクラブの中で1番派手な動きを見せ、アトレティコ戦でも新加入選手たちの活躍が期待されました。
新加入選手はこちら。
アダマ トラオレ ウルヴス→バルセロナ(今シーズン終了時までのローン移籍)
どの選手もプレミアリーグからの移籍であり、元所属チームではバリバリの主力!というわけではない選手たちなので、ここでもプレミアリーグとリーガとの間の力の差を感じますね。
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スタメン
バルセロナ
先ほど紹介した新加入選手が2人。フェランとトラオレだ。契約更新やら、今冬での放出やらでクラブと揉めているデンべレをベンチに置き、ガビを左WGに起用。デヨングとぺドリをクーマン体制時とは逆サイドで起用。デヨングをCB脇で、ぺドリを右サイドのハーフスペースでそれぞれ活躍させる意図。
アトレティコ
欠場選手としてグリーズマンとジョレンテ。ジョレンテの欠場はバルサにとってかなり大きい有利であったと思います。また、トリッピアーがニューカッスルに移籍したことで、ヴァスをバレンシアから獲得しましたが、バルサ戦ではブルサリコを起用。
両チーム嚙み合わせと圧巻のアウベス
取り上げるべき点がかなりありますね。スアレスが常にブスケツへのパスコース切りを意識していたため、アウベスが中央に移動することで左SHのフェリックスを中央に連れてくるとともに後方での数的優位を作り出しました。
しつこくブスケツをケアしていたスアレスを見てアウベスが中央に移動してビルドアップに参加。常に数的優位の状況を作るために多方面に関わっていたアウベス、流石すぎる。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月7日
左サイドはデヨング、アルバ、ガビの3人のトライアングルを活かして確実にボールを保持しながら前進に成功。この3人は状況に応じて柔軟にポジションチェンジを繰り返し、アトレティコに捕まえどころを作らせない巧みな動きを見せてくれました。特にガビが中央に入る動きと連動してアルバが裏に抜け出すコンビネーションの形は久しぶりに見られました。メッシがいたら毎試合見れた形なんですけどね。
裏に抜け出すアルバにいつも美しいパスを供給してくれていたメッシがいなくなったことで、アルバの武器が一つ消えてしまったといっても過言ではありませんでしたが、その解決策もアウベスでした。もう、あっぱれです。。。
まだまだアウベスを褒めるべき点があります。先述しましたが、アウベスの中央移動に釣られてしまった選手がいます。そう、フェリックスです。もちろん、全くついていかないのもそれはそれで問題ですが、フェリックスが中央に連れて来れられたことによってアトレティコ側にとって分が悪い展開が作られます。それは右サイドでのトラオレvsエルモソという構図がきれいに出来上がってしまったことです。プレミアでのトラオレの活躍をぼんやりとでもご存じの方は、トラオレが1対1の局面で絶大な力を発揮することを想像することは難しくありませんよね。強靭な肉体によって可能となった一瞬のスピードとプレミアの選手たちでさえも吹っ飛ばしてしまうフィジカルでまさに”ゴリゴリ”というようなドリブル。前半だけでも2.3回はエルモソとのマッチアップを制したシーンが見られ、中にはガビへのアシストもありました。
5-3-2への変形と前半の主導権
アトレティコは幸先よく先制点を奪いましたが、あっという間にバルサが2得点し、逆転に成功しました。その2点両方がバルサの右サイドでのトラオレvsエルモソのマッチアップが影響を与えていました。ということで、シメオネはトラオレに対して1vs2で対応できるように26分あたりでカラスコを左SBに置いて4-4-2から5-3-2へとプラン変更しました。
この5-3-2へとシステムチェンジを行ったことが、前半の主導権の奪い合いにおけるバルサの勝利を意味するものだと思います。カラスコが右SHとしてプレーしていた時間帯でもデヨング、ガビ、アルバのトライアングルに手を焼いて高い位置はとれていませんでしたが、左SBになったことでSBとしてトラオレとマッチアップしながら、ボールを受けても低い位置から攻撃を切り替えないといけない状況に追い込まれてしまいました。結果的にバルサはアトレティコの攻撃のオプションの1つとして貢献していたカラスコの機能不全を引き起こしたということになりますね。
さらに、当ブログでも再三記述してきたことですが、5-3-2には守備時において明らかにカバーしきれないスペースが出てきます。皆さんもお分かりであろう3人の中盤の脇です。リードした展開である程度アトレティコ側の様子を見ながらボールを回せるバルサにとってはこの3人の中盤の選手の脇はかなり都合よく使えるスペースとなりました。
さらに、その3人の中盤の脇のスペースを活用したのはこれまたアウベス兄貴。フェリックスが5-3-2の2トップとなり、それによって空いたその側のスペースをアウベスが突く。フェリックスは抜群のポジショニングを取っているアウベスに対して後手後手のアクションを起こすようになりました。
前半終了。先制点を許し幸先の悪いスタートかと思われたが、終わってみれば3-1。リードしてからは主に左サイドでアトレティコの5-3-2の脇を使いながらボール保持し、右サイドで圧倒的な個の力を見せたトラオレに勝負させる展開。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月6日
後半はリードの展開を活かして有利に進めたい。
脆くも整理されつつある守備戦術
アトレティコ相手に4得点と大量得点を記録したものの、守備における脆さはまだまだ健在でした。あっさりと前進を許す場面が見られ、気づいたらチャンスを作られて先制点を許してしまいました。しかし、アトレティコ戦に臨むまでに空白だった2週間でかなり整理された印象を受けました。
整理された守備戦術が見られたのはこのシーン。ガビがドリブル突破を試みるも、ボールをブルサリコに奪われてしまったあとの展開。バルサの各選手が近くにいるアトレティコの選手を捕まえながら、ボールホルダーであるサヴィッチに最も近いフェランが背中である程度ヒメネスを抑えながらプレス。結果的にサヴィッチを狭い方向に誘導しながら、自由を奪ったところでガツンと当たってルーズボールを生み出してデパウルを捕まえていたフィルター役のブスケツが回収。実に奪い返すまでの時間は約6秒。即時奪回の基盤ができ始めていますね。
この2週間で整理して仕込んだシャビによって植え付けられた自信を伴うハイプレスは思い切りがあってアトレティコにとってかなり驚異であったと思いますね。
試合の無かったこの2週間でハイプレスの落とし込み、各選手の役割と立ち位置が整理された気がする。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年2月6日
苦しみ、耐え抜いた10人体制
アトレティコ戦で1G1Aという大活躍をしたアウベスが68分にカラスコのふくらはぎを後ろから踏みつけたとして1発レッド。バルサはここから10人でゴールマウスを守ることとなりました。しかも苦しいのが57分に1点を返されて4-2のスコアで流れがアトレティコ側にあったこと。さらにアトレティコは前節にバレンシアと対戦したのですが、先に2点のリードを許すも、劇的な逆転勝利を飾っており、ビハインドの展開から巻き返すメンタリティは持ち合わせており、バルサは押される一方という構図が出来上がってしまいました。
ここでシャビは交代カードを切ります。アウベスがいた右SBにガビと交代でデストを投入。4-4-1の1トップにオーバメヤンを置いてなんとか耐え凌ぐ意図でした。アトレティコの攻撃パターンとして多かったのがヴァスの裏への抜け出しとロングボールの放り込みです。
ヴァスはまだ移籍して間もなく、連携面での完成度が低かったからか、致命的な決定機を作られることはありませんでした。さらに、ロングボールの放り込みもアラウホとピケがことごとく跳ね返してくれたことでこぼれ球をスアレスに拾われてシュート。なんていいう展開も生まれることはありませんでした。
ただ1番疲れていたのはおそらく中央のブスケツとデヨングでしょう。この2選手はスタメンとして出場し、10人になってからは中央を締めながらチャレンジ&カバーを行わなければならなかったので、肉体的にも精神的にもかなり疲労は来ていたのではないかという印象を受けました。彼らの的確なチャレンジによってアトレティコの選手たちのプレー選択におけるミスを誘う場面も見られました。
このような時間が最後まで続いて試合終了。後半のほとんどが完全にアトレティコペースだっただけに本当によく勝ち切ってくれたと思います。
今回は以上です。いかがでしょうか?クーマン体制時に課題となっていた強豪相手との試合をついに制することができましたね。いくら調子の悪いアトレティコといっても、メッシ抜きで勝てるようになったことは大きな成長だと思います。
さて、次戦はヨーロッパリーグのプレーオフであるナポリ戦の1stlegです。現在のナポリの状況はよくわかりませんが、大きな壁として立ちはだかることはほぼ間違いありません。アトレティコ戦のような試合をして勝利したいですね。
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では。
La Liga 第22節 アラベスvsバルセロナ マッチレビュー
どうも、くれたです。今回はアラベス戦のマッチレビューです。スーペルコパ、国王杯と続けてタイトルの可能性のあった大会で敗退し、正直チームとしての雰囲気はよくはありません。そんな中で、監督にメンディリバルを迎えたアラベスとの対戦。どうなったのでしょうか。
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スタメン
アラベスの要注意選手は左WGのリオハ。実況の倉敷さんもおっしゃっていましたが、キャリア全5ゴールのうち3ゴールがバルサから奪ったというバルサキラー。
バルサは前節にガビが退場したため、出場停止。2戦続いて長い間プレーした高齢のアウベスを休ませるためにデストを起用。デンべレは相変わらずチームに合流せず、アンスは残念ながらビルバオ戦で負傷交代したためにWGにはアブデとフェランがスタメン入り。
両チーム嚙み合わせ
基本的に、アラベスは2トップ気味でプレスをかけてきたため、ブスケツが最終ラインに降りてビルドアップをすることが多かったです。2トップの1人がボールホルダーにプレスをかけながら、もう1人がブスケツを抑えていました。
また左サイドで多く見られた現象ですが、リオハがピケへプレスをかける際にデストへのパスコースを切りながら寄せてきました。しかし、ぺドリが気を利かせてボールを貰いに降りてきてデストへレイオフをして回避していました。
アラベスのボール保持時は目立った規則性は見られず、ボールを奪ったらとにかくホセルへ。という感じ。
デヨングの新たな起用法
この試合で触れるべき選手はおそらくデヨングでしょう。最近は不調な試合が多く、ガビやぺドリにスタメンを奪われてしまっています。長年の問題であるデヨングの最適な起用法問題ですが、アラベス戦でシャビはデヨングがアヤックス時代に行っていた役割を任せました。
個人的な考えですが、デヨングの強みは高いビルドアップ能力と、推進力を活かしたドリブルです。アヤックス時代には華麗に相手をいなしながらボールをさばき、相手のプレスや守備組織が甘いと見たら突然スピードを上げて2,3人を抜き去って一気にチャンスを作り出していました。
それはビルドアップ時にCBの脇に降りてボールをさばくといったような役割です。1番分かりやすく言えば、クロースがいつもやっていることです。貴重な決勝点を決めてくれたデヨングですが、試合を通して評価する素晴らしいとは言えない内容でした。しかし、今回の起用法はデヨングの強みが出せている、もしくはもっと出せるのではないか?と感じました。
このデヨングの起用法はデヨングを活かせるようになることだけではなく、デヨング以外の選手にもメリットがありました。
1つはアラウホ側のサイドに降りてきたことでアラウホの苦手なビルドアップをすぐそばでサポートできるということです。アラウホがボールを持ったときに、デヨングもフリーであれば簡単に彼に預けるだけでよくなるのですから。
もう一つのメリットはボールを奪われた際に予測力の高いブスケツをより高い位置で使えるということです。個人的にブスケツの被カウンター時の予測力は世界トップクラスだと思っており、その力をより高い位置で使えることができたら、即時奪回も捗り、試合の流れを掴めるようになるのではないかと感じました。
さらに後方にブスケツより足の速いデヨングが入ることで、スピードに乗ったカウンターへの対応の質が上がるのではないと考えています。
謎に多かったロングボール
皆さんがこの試合でダメだったところを挙げるとするならば、ロングボールの使用によるボールロストだと思います。それも多い回数。
本来のバルサなら、細かくパスを繋ぎながら相手陣地へと前進してゴールへと攻め込みますが、アラベス戦ではかなりボールロストが目立ちました。不思議なぐらいロングボールを多用し、ボールロストを繰り返していましたが、何か理由があると思い考えてみると、アラベスの守備戦術が原因ではないかと考えました。
アラベスは監督にメンディリバルが就任したことで、彼がエイバルを指揮していたときのようにハイプレスを採用し、バルサに圧力をかけてきました。
ロングボールを多用することをシャビが指示したのか、選手たちの個人判断なのかは分かりませんが、ロングボールを使うことによってハイプレスを無効化しようとしていたのではないかと考えました。
終了間際にもぎ取った決勝点
アラベス戦、このまま引き分けで終わると思われていた局面で決勝点を決めてなんとか勝ちきりました。
得点の形も、決めてくれたデヨングも素晴らしかったのですが、僕が1番褒めたいのは苦しいときでも1点がもぎ取れるチームになりそうなところです。
クラシコのマッチレビューで書いたことなのですが、試合の流れ的に押せている時間帯に得点できるかどうかが強いチームとそうでないチームとの違いの1つだと思っており、クラシコでは引き分けの状態で後半開始からは15分ほどまでは完全にバルサのペースであり、逆転するならこの時間帯!という感じでしたが、バルサはゴールを決めることができず、マドリーに追加点を取られてしまいました。
もちろん、どんな試合でも得点は欲しいものですが、同じ22節に行われたマドリー対エルチェ戦では、エルチェが先に2得点するも、マドリーは後半の終了間際に2点取り返し、引き分けで試合を終えることができていました。メッシがいれば難しくないことかもしれませんが、メッシのいないチームでも勝てたことが収穫です。
低パフォーマンスのアブデ
ロングボールを多用し、ボールロストを繰り返したチーム全体も良いようには写りませんでしたが、終始アブデのパフォーマンスが悪かった印象です。
仕掛けようという意識はよかったものの、仕掛けるタイミング、味方を頼らずに仕掛けてしまうところなどプレー選択のミスが多く見られました。しかし、ドリブルを仕掛けて突破する能力は十分にあるわけですから、あとは連携やポジショニングの質を高まることができれば、シャビの率いるバルサでも活躍できるのではないでしょうか。
デストやぺドリへのパスコースもあり、チームとしての攻撃の緩急などが共有できていない印象でした。もちろん、カウンターのときは手順を少なくすることが大事かもしれませんが、バルサはカウンターを主としているチームではありませんので、そこまで攻め急ぐ必要がありません。このあたりの意識は改善しようと思えばできるものだと思うので、すぐに治ればいいですね。
今回は以上です。いかがでしょうか?内容は渋かったとはいえ、勝ち点3を得られたことはかなり大きなことです。次節はカンプノウでのアトレティコ戦です。ここで勝つことができれば、4位の上昇し、やっとCL圏内にはいることができます。
アラベス戦の試合内容では勝つのは厳しいかもしれませんが、代表ウィークで2週間ほど機関が空きます。この期間にシャビがどれだけ戦術を浸透させられるかが問題だと思います。
いいねやリツイート、フォローだけでもよろしくお願いします。
では。
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どうも、くれたです。今回は国王杯Round16ビルバオ戦のマッチレビューです。
前回のクラシコのマッチレビューを多くの方に読んでいただくことができ、とてもうれしかったです。お読みいただいた方々、リツイートやいいねをしていただいた方々には感謝しかありません。これからも読んでいただけるとありがたいですし、読む時間がない方はいいねやリツイートだけでもよろしくお願いします。
マドリー戦のマッチレビューを貼っておきます。
スタメン
両チームかみ合わせ
ビルバオは2トップのため、ブスケツは最終ラインに降りてピケ、アラウホとともに3バックを形成して3対2の数的優位を確保しました。
こうして3対2を確保したものの、3人の中で明らかにプレス耐性が低いアラウホに対してはボールが渡る瞬間にビルバオの左SHであるムニアインが執拗に狙っていました。また、ムニアインはアラウホーアウベス間のポジションを取ることで、ピケやブスケツからのフライパスもケアしています。
ムニアインがアラウホにかけるプレスによって実質的に3対3になった場面ではガビやぺドリが降りてきて対応しますが、ビルバオの2ボランチがマンマークで対応し、フィジカル能力の優位を活かしてファールで止めるorバックパスを選択させていました。
ビルバオはボールを奪うと、ポゼッションには徹さずにすぐさまSB裏を狙うようなロングボールを蹴りこんでチャンスをうかがいます。特にアルバ側はニコウィリアムズというとても足の速いアタッカーが待っており、試合開始直後の先制点も彼のスプリントから生まれました。
ムニアインは足の速さで勝負するアタッカーではなく、周りの選手との連携でチャンスを作り出す選手であるため、一般的なSHのようにサイドでボールを受けることは少なく、中央に入ってプレーすることが多かったです。
試合開始直後の失点
よーし!勝つぞ!とワクワクしながら試合を見ていたら、あっさり失点。浮き球に対するアルバの安易なヘディングを相手に拾われ、アルバの裏のスペースへスルーパス。パスが出た時点では、ニコウィリアムズはアルバよりもゴールから離れた場所にいましたが、気づけばアルバは追い抜かれゴール前へ。アルバも決して足の遅い選手ではありませんが、ニコウィリアムズの俊足が光りました。
あっという間にペナルティエリアに侵入すると、サンセ、ムニアインのいる中央へ折り返し。サンセの足元にはボールは来ませんでしたが、ファーでボールを受けたムニアインが美しいループシュート。最初はバルサの選手にあたった軌道のように見え、「これならテアも反応できないな」と感じていましたが、リプレイを見るとムニアインのシュートは誰にも当たらずにゴールへと吸い込まれていきました。
この失点は安易なミス、身体的な能力差、止めようのない美しいゴールというように戦術的な失敗はあるようには見えませんでしたが、強いて言えばアウベスにはムニアインに対してもう少し距離を詰めれたのではないかと感じています。ただ、ペナルティエリア内であったので躊躇する気持ちも理解できます。
フェランが解決した課題
試合開始直後に失点したバルサですが、徐々に自分たちの時間を作り始めました。また、シャビはアブデとフェランのサイドを変えるという修正を加えました。
フェランは解決した課題というのは押し込んだ後のフィニッシュの精度・パターンです。メッシがいなくなったこれまでのバルサは相手陣地まで押し込むフェーズまでもっていくことはできるようになりましたが、フィニッシュまでのあと1押しが出せない状態でした。
ですが、今日のバルサにはフェランがいました。前所属クラブであったシティではCFとして起用されていたことから推測できるように、フェランには高い決定力があると思っており、現在のバルサの決定力不足の課題解決にはもってこいの選手であると思います。
前半19分、左サイドで作った密集の中で細かく、テンポよくボールをつなぎ、ボールはブスケツへ。右サイドに展開する素振りを見せておきながら切り返してエリア内のフェランにパス。さぁ。ここからどうする?と見ていると、フェランはシュートを打ち、それがゴールに。完璧な弾道でファー側に吸い込まれていきました。
後半に向けたシャビの修正
前半で大いに苦しめられたバルサであったため、シャビは選手交代を伴った修正を加えました。まず、アブデに変えてニコを投入。そしてガビを左WGに起用。さらに、ピケとアラウホの位置を入れ替えました。
以前から言われているアブデの連携面での心配。もちろん、彼の長所は鋭いドリブルではありますが、ビルバオの高いインテンシティを伴ったハイプレスはドリブルが得意な選手がいてもそう簡単には打開させてくれません。そのため、連携面での精度が乏しいアブデではボールロストが増えるうえに、左サイドでボールロストすると、先制点同様すぐさまニコウィリアムズを裏に走らされるため、不利と考えアブデを下げる選択をしたと思います。
変わって入ったニコはバルサの選手にはない高身長という個性を持っており、ビルバオの選手が相手であってもフィジカル能力の面で戦える選手です。今日の試合もトップの選手が降りてくる動きと連動してゴール前へ飛び出す動きを行いました。また、大外でボール受けて時間を作りながらインナーラップをするアウベスと連携を取るシーンも見られましたが、ビルバオに対してはそこまで有効にはたらきませんでした。
左WGとして起用されたガビですが、これは左サイドでのボール保持の時間を増やすことで、ニコウィリアムズの裏抜けの回数を減らそうというシャビの意図が見えました。
ピケとアラウホの位置を変えた理由はおそらく両チームかみ合わせの項目で記述したように、ムニアインからのプレスをアラウホではなく、ピケで受ける方がいいだろうという考えだと思います。
最後まで強度が落ちなかったビルバオ
試合開始直後からハイプレスをかけてくるチームが陥りがちな問題は、中盤から終盤にかけてのバテによる間延びです。しかし、ビルバオは最後まで強度を落とさずにバルサにプレッシャーをかけつづけました。荒いと言ってしまえばそれまでですが、ビルバオの強度の高さには荒いだけでない日々のフィジカルトレーニングの成果を感じます。
やはり高強度を伴ったハイプレスはバルサは苦手ですね。メッシがいなくなったことで無理やりにでもプレスを回避する方法が1つ減ってしまったためにさらに苦しくなっています。しかし、ぺドリの囲まれてからの打開はさすがですね。
課題が残る守備
監督がクーマンからシャビに交代し、攻撃面だけでなく、守備面(特にプレス)も向上しています。マドリー戦のように片方のサイドに人数をかけて囲い込むプレスやマンマークなど、決め事が伴った守備が見れるようになりました。
しかし、事前から準備しておいた守備戦術が1度突破されてからのフェーズではまだまだ課題が残ります。もちろん、準備しておいたことが思い通りにいかないとキツイのはどのチームも同じですが、プレスを突破されたあとのプランBをしっかり決めておきたいという印象を受けました。
もっと言うと、セットプレー時の守備。前回対戦でもセットプレーから得点を許し、今回もセットプレーで失点しました。ビルバオの選手は背が高い選手が多いため、セットプレーで不利に回ることは仕方ないかもしれませんが、ゾーンで守る、マンマークをするなど、バルサにとって最善の策があると思います。
今回は以上です。いかがでしょうか?今回からnoteに移行するため、見にくい点があるかもしれませんが、その時は気軽に教えてください!
前回のクラシコのマッチレビューのときのように、いいねやリツイートなどの拡散をしていただけるとありがたいです!
では。
スーペルコパ 準決勝 レアルマドリード戦 マッチレビュー
どうも、くれたです。今回はサウジアラビアで行われるスーペルコパの準決勝、マドリー戦のマッチレビューです。怪我人の復帰、フェラントーレスの加入などいくつかのポジティブな要素はありますが、なんといっても相手はマドリー。エルクラシコです。マドリーがリーガで独走中だとか、バルサの調子が悪いとかそんなものは関係ないバチバチの試合です。
いいねやリツイート、フォローだけでもよろしくお願いします。
スタメン
怪我組が復帰したものの、スタメンに見られた新しい顔は新加入のファラントーレスのみ。ガビとデヨングも基本のサイドとは逆側のインサイドハーフを任されました。ここ最近好調のルークデヨングがCFに起用されました。
一方マドリーはアラバが負傷で代わりにナチョが出場しているが、ナチョ以外はおそらくベストメンバーであろう。もちろく要注意選手は今シーズン絶好調のベンゼマとヴィニシウス。
両チーム噛み合わせ
バルサを上回ったマドリーのビルドアップ
バルサ、守備時は基本的に4-4-2のブロックを形成し、マンマークディフェンスを導入しました。守備時の初期配置が4-4-2というだけであって、マンマークを採用していることもあり、正直ブロックというブロックではありませんでした。
今回のバルサはマドリーのビルドアップに対して人数をかけて片方のサイドに追い込む形のビルドアップを採用しましたが、そう簡単には追い込ませてくれません。特にマドリーで輝いていたのがクロースとモドリッチです。クラシコでは毎試合バルサを苦しめる選手ですが、今回も活躍していました。
しかし、バルサはハイプレスとマンマークディフェンスを採用しているため、マドリーの回避能力が高くても、前に出てプレスをかけざるを得ませんでした。これが前半にマドリーを優位に立たせた理由だと思っています。バルサは前に出ないといけませんが、現在のマドリーの前線には絶好調のヴィニシウスとベンゼマが君臨しており、バルサは常にカウンターによる彼らの裏への抜け出しをケアすることを強いられました。
バルサは前線からプレスをかけていきたいけど、マドリーのビルドアップ能力が高すぎる&絶好調のベンゼマとヴィニシウスの裏抜けをケアするためにバルサの最終ラインは高めに設定しにくいし、かといってラインを下げると前線〜最終ラインまでに大きなスペースができてしまう。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月12日
すると、ここで1つの矛盾が生まれます。
「しっかりラインを上げながら人数をかけてハイプレスをかけたい!、、けどラインを上げすぎるとヴィニシウスとベンゼマのカウンターに対応できないからラインを上げたくない!」
今案気持ちをバルサが持っていたことで、前半は守備時に2列目と3列目の間の距離がかなり広がっていました。先述しましたが、マドリーにはバルサのプレスを回避するための力を十分に持っていたため、プレスを回避した後にはバルサが空けてくれている広いスペースを余裕を持って使えていました。
マドリーの仕掛けた罠
マドリーの仕掛けた罠というわけですが、これはマドリーの守備時の対応の話になります。
マドリーは前線からは積極的にプレスかけてきませんでした。アンチェロッティの率いるマドリーならハイプレスでバルサのビルドアップを苦しめる方が得策なのでは?と考えた方もいらっしゃるかもしれません。
ハイプレスが得策であるかどうかは置いといて、僕はマドリーにその能力はあると思います。
では、なぜアンチェロッティはバルサのビルドアップに対してハイプレスの選択肢を選ばなかったのでしょうか。実はその理由はマドリーの攻撃時に明らかになります。今回の試合のマドリーの主に採用していたボール保持時のプランがありました。そう、カウンターです。
マドリーはあえて前線からハイプレスをかけないことによってバルサをミドルゾーンより自陣側に前進させることで、バルサの最終ラインの後方にカウンターを行うための広大なスペースを作り出しました。
この戦術、以前にもマッチレビューを書いた際に今回のマドリーと同じような戦術を採用したチームがありました。そのチームは実はカンプノウで行われた前半戦クラシコのマドリーなんです。今回の1点目と3点目はまさにマドリー側の狙い通りのゴールだったのです。
バルサのボール保持時にマドリーが前線からハイプレスをかけずにミドルゾーンまで前進させてから、ボール奪取してカウンターを狙う戦術はカンプノウでのクラシコと同じ。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月14日
3点目はその典型的な例。
前半戦クラシコのマッチレビューも貼っておくので、ぜひお読みください!
後半で見えたシャビの修正力
修正力や守備の組織が微妙だと言われているシャビですが、後半には前半の問題点を修正していたように見えました。
その問題点とは、守備時にバルサの2列目と3列目の間の距離が広がっていたことで、マドリーの選手に余裕を持ってボールを運ばせてしまっていたことです。
後半を見返していただくと分かるのですが、マドリーのビルドアップに対してハメにいくときに明かにバルサの最終ラインは前半よりも高い位置を取っており、もし前線からのプレスを回避されたとしても、2列目と3列目のライン間の距離が狭くなっているため、マドリーの選手は前半ほど余裕がなく、アバウトなボールを蹴らざるを得ないシーンが多くみられました。
得点にこそ繋がらなかったものの、バルサが後半になってから長時間試合の主導権を握れていたことは紛れもない事実でした。あの時間帯に決め切れていたら、もっと優位に試合を進め、勝利できていたと考えてもいいと思えたぐらいです。
あの時間帯に決め切れるかどうかが本当に強いチームかどうかを分ける1つの指針になると僕は思っています。そう考えると、バルサにはまだまだ伸びしろを感じます。
圧巻のぺドリ
何カ月もの間、ぺドリ不足に襲われていた僕たちクレですが、やっと帰ってきてくれました。前半出場していたデヨングとの交代で入ったぺドリでしたが、圧巻のパフォーマンスでした。
本当にあのポジショニングというかスペース察知力は恐ろしいですね。気づいたらいてほしいところに現れていてボールを引き取って前線へとつなぐ。小澤さんも「この試合のMVPを選ぶなら、ぺドリですね。」とおっしゃっていたほどです。
彼はスペース察知力だけでなく、オフザボールにも長けています。これはもう一度クラシコを見返せる方がいたら見ていただきたいんですが、56分11秒のぺドリのオフザボールの動きです。モドリッチは直接ぺドリを見れていた場面ではありませんが、何度も駆け引きをして最終的にはピケからのパスコースを作り出しています。
もう一度クラシコを見れる人は56分11秒からのぺドリのモドリッチとの駆け引きを見てほしい。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月14日
モドリッチがぺドリを背中で見ているといっても、完全にモドリッチを外してピケからのパスコースを開けている。
ぺドリだけでなく、アンスもかなりいいパフォーマンスを見せましたが、試合後のインパクトではぺドリの方が個人的には大きかったです。これからガビやデヨング、ニコとどのように組まれてどのような役割を担うかは分かりませんが、確実に軸として活躍してくれるでしょう。
明るい未来が見えたバルサ
クラシコに負けてしまったことは事実ですが、確実に明るい未来が見えた試合でした。メッシが移籍し、これからどうなるんだろうと開幕した今シーズン。クーマンに振り回され、リーガは連勝などできず、しまいにはCLはグループステージで敗退。(シャビ体制での試合もあったが)すると心のクラブを助けんとばかりにシャビが監督に就任。そこからバルサのサッカーは劇的に変わりました。
戦術はかなり理論的に、再現性のあるパターンがつくられ始めました。毎試合勝てているわけではありませんが、着実に1歩ずつ正しい方向に踏み出せています。敗退は敗退として受け止めなければいけませんが、様々な要素を加味して評価するのが妥当だと思いますね。
1番悔しい試合だけど、今シーズンで1番楽しかった。やっぱクラシコは至高。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月12日
負けたのはめちゃくちゃ悔しいけど、リーガ独走のクラブにここまで喰らいつけたこと、失点は自分達のミスからであること、メッシがいなくても俺たちはやっていけるって思えたこと、着実にシャビと共に歩みを進めていると確認できたことも含めてこの試合は評価するべきだと思う。 https://t.co/sHcbmAJ2TG
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月12日
今回は以上です。いかがでしょうか?今回はかなりの長文になってしまいましたが、ここまでたどり着いていただいた猛者の方々、ありがとうございます。クラシコのマッチレビューなので、いつもより力を入れて書きました。ぜひ拡散していただけるとありがたいです。
では。
La Liga 第20節 グラナダvsバルセロナ マッチレビュー
どうも、くれたです。今回はグラナダ戦のマッチレビューです。最近、少し呼びかけをしただけなんですが、それでも閲覧数がとても増えていてうれしいばかりです。どうぞこれからもご協力よろしくお願いします。それでは、振り返っていきましょう。
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スタメン
バルサ攻撃時の嚙み合わせ
組織力の出てきた右サイド
グラナダ戦で感じた大きな成長は右サイドの組織力の向上でした。これまではデンべレやアブデなどのドリブラーによる状況打開しかまともな攻撃手段がなかった右サイドでしたが、グラナダ戦では改善されていたように思えます。理由を考えてみると、以下のようなことが思いつきました。
試合をこなしてきて培ったビジョンを共有する感覚
まず一つ目はシャビ体制になってからこなしてきた試合数による成長です。怪我人が少しずつ回復し始め、出場選手のラインナップにも幾分か固定化の傾向が見え始めてきました。それによって選手お互いの目指すべき場所に行くためにするべきことの共有ができ始めているのではないかと感じました。
アウベスの気が利くポジショニング
先ほども記述した通り、こなしてきた試合数も関係すると思いますが、なんといっても最大の理由はアウベスの加入だと思います。これまでの長い長いキャリアの中で培った感覚と頭の中のマニュアルが完成されすぎているなと感じます。
今まで個の突破能力に頼っていた右サイドがアウベスがいるだけであんなに組織的に機能しだすのすごすぎでしょ。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月9日
本当に大袈裟じゃないレベルでいてほしいところにいてくれる。
デンべレが大外に張れば、内側でボールをさばき、ニコとデンべレの両方が飛び出さなければ自らがライン裏へと飛び出し、デンべレが内側でボールを受ければ、大外で純粋な右SBの動きをするというように本当に柔軟に動いてくれます。
彼の加入は単なる右サイドバックの補強というだけでなく、チーム全体のポジショニングの質の向上、いわゆる勝者のメンタリティーの植え付けなどさまざまなメリットがありますね。
デンべレの目立つ無秩序なアクション
1試合ずつ連携面での質は向上していますが、時折デンべレの無秩序なアクションがグラナダ戦では目立ちました。
オフザボールの動きのなさはこれまでも目立っていましたが、今回目立ったのは押し込んだ状態での突然のシュートです。せっかく相手ゴール前まで押し込んでいい展開を作っていたのに、急に無茶なシュートを打ってしまうデンべレのあの行動は非常にもったいなく感じます。
相手ゴール前に押し込んだ展開のときにデンベレが無秩序にシュートを打つ現象、気になるなぁ。ただ単に自分のシュートに自信があるのか、チーム全体で崩すビジョンが共有できていないのか。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月9日
どちらにせよファイナルサードまでいけてるんだから、崩しのディテールを詰めればもっと良くなる。
もちろん、押し込んでいるだけでシュートを打たないと得点というものは生まれませんが、それにしてももったいないですね。あれだけゴール前まで押し込むことができているのですから、丁寧に崩すことから初めてそれに再現性を付加していくことができれば、もっといいチームに成長していくと感じました。
今回は以上です。いかがでしょうか?今回も勝ち点を落としてしまった試合でしたが、勝てた試合でしたし、勝たないといけない試合だったと思います。次戦はスーペルコパのマドリー戦、クラシコです。前回大戦では完膚なきまでに叩きのめされましたが、あの時とは監督もプレースタイルも戦術も全く違います。バルセロナの意地を見せたいですね。
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では。
国王杯 Round32 リナレス戦 マッチレビュー
どうも、くれたです。今回は今シーズンの国王杯の初戦であるリナレス戦のマッチレビューです。確か2シーズン前からですが、過密日程による疲労を少しでも減らすことを目的として国王杯は基本的に格下のクラブのホームスタジアムでの一発勝負となっています。うれしいような、アウェー戦が苦手なバルサからすると厳しいようなって感じです。
スタメン
待望のアウベスが帰還し、スタメンとして出場しました。リキはマジョルカ戦に引き続きスタメン、ジュグラは少しずつ自分の地位を築き始めていますね。
両チームかみ合わせ
38歳アウベス、圧巻のパフォーマンス
今回の試合での注目選手はなんといっても帰還後最初の公式戦となったアウベスではないでしょうか。去年に行われたマラドーナカップでも持ち合わせた実力はしっかりと発揮していました。
今日は3-5-2の右WBとして起用されたわけですが、皆さんも試合を見ていて分かった通り、多くの人が想像する一般的な右WBというはたらきではありませんでした。時には内側、時には外側と臨機応変にポジションを入れ替え、常にフリーの状況を作り出そうとしていました。
アウベスはポジショニングが言うまでもなくすごい。常に相手にとって曖昧なポジションを取り、フリーな状況を作り出す。特に、明袈裟にボールが渡ったときには相手の左IHがプレスをかけるために前に出ることが多いため、それによって空いたスペースを利用し、フリーに。
— くれた (@Cule_tactical) 2022年1月6日
相手チームのプレッシングによって作り出されたスペースを察知して移動。そのポジションでボールをフリーの状況で受けてチーム全体の前進に貢献していました。まさに典型的な偽WB(SB)のはたらきでしたね。
典型的な失点パターン
リナレス戦で先制点を許してしまったバルサですが、失点のパターンがあまりにも典型的すぎたという印象を受けました。ハイライトや試合を見ての通り、今回はクロスからのヘディングという流れで失点をしました。
これは僕の自論なのですが、クロスからの失点の原因の8割はクロサ―に対するプレッシャー不足だと思っており、今回もそのパターンでした。ペレヨンがクロスを上げたフランにボールを預けた後にインサイドに走ったところをアルバとリキの両方がつられてしまい、フランに十分な時間と余裕を与えてしまい、精度の高いクロスを許してしまいました。
なんとか勝ち切った試合
先制点を相手に許し、決定機を作りながらも決め切れない展開が続く中で後半から流れを変えたのは途中出場のデンべレ。先発出場していたイリアスとの違いを見せ続け、62分に同点ゴールを決めました。やはりあれだけの個の力を持っているとやってくれましたね。
さらに逆転ゴールを決めたのは先発出場のジュグラ。彼は直近の数試合でメキメキと成長していますね。ゴールという数字を着実に残していきながら、ビルドアップ面でもボールの逃げ道を作るようなポストプレーなど地道なプレーもしっかりとこなしてくれています。
結果としてな終始試合の主導権は握っていたものの、なんとか勝ち切った試合という印象ですので、これから対戦では先制点を奪いより一層のボール支配が望まれます。おそらく国王杯の次戦も格下相手のアウェー戦になると思いますので、アウェー戦の弱いバルサにとっては厳しい試合展開になるとは思いますが、確実に先制点を奪いたいところです。
今回は以上です。いかがでしょうか?あきらめてはいませんが、かなり厳しい状況のリーガやELのことを考えると、国王杯のタイトルはぜひとも獲得しておきたいですね。ヒヤヒヤした試合とはいえ、次に駒を進められたのは良かったと思います。次回はLa Ligaのグラナダ戦でお会いしましょう。
では。